◆後編の登場人物はこちらの3人◆
Yさん このお話の主人公でリーディングの絵の依頼者
Mさん 前編の終わりに出てきた鋭いヒラメキの達人で共通の友人
Kさん ご神託を降ろす不思議カフェのオーナー
前編はこちらです↓

お会いしたときは至って普通
依頼を受けて数日後、出来上がった薬師の絵とリーディングで受け取った文章、その他諸々をYさんに届けました。そこでは、あまり詳しい話はできず、当日はお別れしたのです。
行くべきは、亭(ちん)の水
その2日後。
Yさんは話に出てきた、一乗谷の朝倉氏遺跡に行きたいと思い立ちMさんに連絡したそうです。
すると、それを耳にしたKさんに、「行くべきは一乗谷ではなく、亭の水(ちんのみず)だ!」との啓示が。
亭の水とは
亭の水とは、一乗谷朝倉氏の遺跡からほど近く山道を少し入ったところ、薬師神社の近くの湧き水です。
薬師神社の湧水。
市内でも有名な名水の一つ。
約2,000年前からあったが、戦国時代、朝倉孝景に招かれた谷野一柏という明で医学を修めた医者が、眼病に効く水として用いた。
現在は万病に効く水として重宝されている。
夏季には6坪ほどの泉ができるという。
現地までは看板も設置されており、観光等にも配慮されている。
周辺は空気もよく、静かな雰囲気が心地よい。
また、町内の生活用水として活用されている。
1キロほど山道を登るので、軽ハイキングにもよいが、雨天時など足元には気をつけたい。
また、近辺には谷(ダニ)の霊泉もある。
その湧水は、今まで涸れたことがなく、水辺に虫やヤモリ等も棲んでいる、2m程のちょっとした素敵な水辺(泉)である。
いざ、亭(ちん)の水へ
そこで、Yさん、Kさん、Mさんと三人連れだって亭の水へ行かれました。
亭の水に隣接する薬師神社にお参りすると、そばにはいつも高齢の僧侶のお姿があったそうです。Kさんは以前、この薬師神社にお参りされたときにお姿を確認され「どなたですか?」とお声をかけたところ、「もう、名も忘れた」という返事が。
名前も忘れるほど長い年月、そこにいらっしゃったのでしょう。
500年の時を経て
今回は違いました。
同行したYさんを見て、「一番弟子だ」と。そのようにおっしゃったそうです。
Kさんを通してこの高齢の僧侶が誰であるか、Yさんはなぜここに来なければならなかったのかが語られました。
この僧侶は谷野一柏であり、Yさんはかつて自分の一番弟子であったこと。
自分のせいで師匠が亡くなったと自責の念に駆られている弟子Yさんの前世に、「わたしは老衰で亡くなったのであって、決して自分を責めることのないように。」ということを伝えたかったということ。
谷野一柏には二人の弟子がおり、それぞれ「和気明重」「三崎安指」という名であったそうです。
そのうちのどちらか訊ねられたYさんは三崎安指さんの名前に迷うことなく反応し、確信が持てたそうです。この人だ、と。
長い約500年の時を超えた再会を果たし、Yさんは大号泣されていたそうです。
時が満ちて、起こるべくして起こり、会うべくして会われたのでしょう。
再会のお手伝いができて感無量
この一連のお話をお聴きして、鳥肌がたちました。こんなことあるんだ!と。
歴史は常に勝者によって作られます。
朝倉氏が滅ぼされていなければ、もう少しいろいろいろなことが判明したかもしれないし、歴史の教科書も違うものになっていたのでしょう。
亭の水をいただきながら、500年の時を超えた歴史に思いを馳せる。思いがけない癒しの時間をプレゼントされて有難く感じました。
ほんとうに歴史はおもしろい。
そして、今、生きていること、起きていることもおもしろすぎる、と改めて思った出来事でした。
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